犬の疥癬
こんにちは!
だんだん暑い季節になってきましたね!この時期はわんちゃんの皮膚病が多くなってきます。
その中で最近遭遇した、見た目に結構インパクトのある症例を紹介します。
皮膚が鎧みたいになっている、とても痒がるとのことで来院されました。
確かに鎧のように厚いカサブタ?が皮膚全体を覆っていました。フケも大量に出ています。
早速皮膚の検査ですが、結果はすぐ出ました。
皮膚検査の重要性を改めて実感しました。
ヒゼンダニの大量寄生でした!
なかなかこんなに大量に見られることはありません。一つの視野でヒゼンダニの発育段階がひと通り確認できます。
痒みが治まらないとのことで他院でステロイドのみをやや高用量で投与されていました。これにより本人の免疫力が低下して、よりヒゼンダニの増加を助長してしまったのだと思います。
また、このわんちゃんの飼い主さんご家族もみんな皮膚のかゆみを訴えていました。犬のヒゼンダニが人に寄生することはあっても繁殖することはありませんが、一時的にかゆみを出すことはあります。今回はご家族が常にヒゼンダニに暴露されていたので、痒みが継続していました。
治療はもちろん駆虫です。様々な治療法がありますが、今回は外用薬を用いました。
治療を開始して1ヶ月ですが、だいぶ皮膚らしくなってきました。
まだ完璧とまではいきませんが、ひとまず鎧は取れました。
痒みも少しずつ治ってきています。
現在治療中なのでここまでしかご報告できませんが、まだまだ改善していくと思います。もちろんかゆみの原因がヒゼンダニの寄生によるものだけとは限らないのでしっかり経過観察が必要です。
皮膚の病気は見た目の異常とかゆみなどの症状が飼い主さんにとって気付きやすいので、来院されるきっかけとして皮膚科疾患はとても多い分野です。
また良くなっているか悪くなっているのかもはっきりわかるので、治療する方もプレッシャーがかかります。その分やりがいもあります。
今回の疥癬は症状が出てからだいぶ時間が経過してからの治療だったので、皮膚の回復にも時間がかかるかもしれませんが、早期に治療すればその分治療期間も短くなると思います。どんな病気もそうかもしれませんが。
何か普段と違う、何かおかしいと思ったら、気兼ねなくご相談くださいね。